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石川九楊展

 23日(日)に上野の森美術館での「石川九楊」展を観て、Phillip Strangeの演奏を思い出した。

 石川九楊の若い頃の作品には特に「時間」が織り込まれているのを強く感じたのだが、一枚の紙の中に彼の思いが時には断層のように、あるいはオーバーラップして放り込まれている様子がPhillip Strangeの「うねり」「感覚の広がり方」に通じるように思え、興味深かった。

 「逆巻く書」。 そして黒塗りの中に黒で文字を書き込んでいく感性。字を真っ黒く塗りつぶす行為。「これは将来、何かを浮かび上がらせるために必要な手続きだったのかな?」などと考えながら小一時間の鑑賞を終えた。 

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